かなり前の経験ですが、僕は阪神・淡路大震災の時、神戸に住んでいました。まさに、倒壊などが沢山あった地域です。
当時まだ子供でしたが、どんな状況だったか、何に困ったかは覚えています。
その時の記憶を教訓に、防災グッズについて考えてみました。
阪神・淡路大震災の頃はまだ防災についての意識も今よりかなり低かったと思います。まさか自分たちの身に起こるなどと考えた事はありませんでした。
当時は周囲の話を聞いても、なんの準備もしていなかったという人がほとんどだったと記憶しています。
今は時代は変わっていて、防災についての意識は高いですよね。個人レベルでもそうですし、各機関としてもこれまでの大変な経験から対処法もある程度マニュアル化されていると思うので、動きは早いと思います。
しかし、まず前提として被災規模が定かではありませんし、仮に早く対応していただけると言っても数日・数週間はかかるので、その間を乗り切れるくらいの備えをしておくべきです。
この記事はあくまで僕の被災状況からのものです。後のニュースや記録などを見たところ、全然軽度な方だったと思います。命あっての記事である事をご理解ください。
被災状況
僕の場合は下記のような被災状況でした。
- 自宅は傾いた程度だが、室内は物やガラスが散乱し、屋上のボイラーが倒れて水浸しになったので、居住できる状態ではなかった。余震も続いていたので、家の中にはいられなかった。
- 火事場泥棒の心配もあったので両親は家に残った(玄関や通路で寝泊まり)が、僕を含め子供達は最寄りの避難所に避難した。
- 助かった事に、身内や友人に亡くなった者はおらず、大きな怪我もなかった。
- 地震発生日は1月17日なので、季節は冬で寒かった。
被災規模や地域、季節によって様々ですが、ご参考いただけたら嬉しいです。
被災時に本当に必要だったもの
トイレ関係がすごく大事
お腹が空いたり寒かったりしたけど、実はトイレに1番困りました。被災直後は仮設トイレは並んでました。特に女性用は長蛇の列で、我慢できず木陰でという方も。
さらに、順番がきたところでトイレ内はものすごい事に。汚い話なのでリアルには書けませんが、一言で表すなら『色々ヤマモリ』状態。
衛生的な面でも心配です。通常の生活のように「洗う」という日常の行為がままならない状況ですので、感染症の恐れもあります。
僕の環境では、水や食料は助け合いや災害援助の方々のおかげで、ありがたい事になんとか凌ぐことができました。しかし、排泄は生理現象。我慢とかいう問題ではないですから、かなりきつかったです。
緊急用トイレやトイレットペーパーなどは最優先レベルで必須です。
僕は家族分(大人2人、子供1人)も考えてとりあえずこちらを100回分購入しました。
トイレットペーパーはとりあえずトイレの棚にストックできるMAX数を常備するようにしています。
※非常時の買占めはいけません。
ガムテープは超便利
被災時、ガムテープは本当に使えます。
梱包はもちろん、破れた袋やカバン、シートなどの補修や連結に役立ちます。
地震の際は、暗いし揺れるので、転んだり倒れた家具で怪我をしやすい状況。捻挫した時などのテーピング代わりにも使えます。
正しく使用すれば、骨折した時の応急処置にも使えます。
「布ガムテープ」を選択してください。
紙のガムテープだと、すぐに破れたり千切れたりするので、防災には布ガムテープの方が向いています。
※もちろん紙の方が有用なケースもあるので、両方用意できればベターです。
柔らかい系の敷けるやつ
公園など、土や石畳、芝生の上に座らなければならなくなる事もあります。そんな時に役立つのがビニールシートやレジャーシートですが、長時間座ることになったりするので、クッション的な柔らかいものも用意しておきたいですね。
お祭りやイベントの打ち上げ花火を見に行った時などで経験がある方も多いと思いますが、長時間座っていると本当にお尻が痛くなります。レジャークッションを用意しましょう。被災時は持ち運べるものが限られてくるので、折りたためるものがいいです。空気で膨らませるタイプも携帯性がよくていいですが、破れて使いものにならなくなるリスクを考えるとウレタンなどのスポンジの類がベターです。
アウトドアと防災は本当に相性がいいですね。僕はしませんが。本音はキャンプとかしたいんですが、夫婦で虫が嫌いすぎて長期保留中です。
とはいえ水
何だかんだ言って、水はやはり必要です。
僕の状況では、比較的援助体制が整うのは早かった印象です。水は最優先ライフラインですしね。支援していただいた皆さまのおかげで、水不足で生命が脅かされるという事はありませんでしたが、汲みに行くのは本当に大変でした。
また、ペットボトルで配給されるだけではないので、ポリタンクも用意しておきましょう。臨時の給水車や給水ステーションでの配給の際は、容器が必要になります。
水の用途は大きく分けて3つ。
- 飲む用
- 洗う・温めるなどの用途
- トイレなどを流す用途
です。最後の流す用途は綺麗な水でなくても大丈夫ですが、口に入る可能性がある用途に使う水は衛生面に気を配ってください。何かあっても、最悪の状況では病院もなければ薬もない事態である事を想定しておかなければなりません。
念のため、ポリタンクもあった方がいいです
これから起こるかもしれない災害に備えて
電力の確保
阪神・淡路大震災の時はまだまだ一般家庭には普及していませんでしたが、今の時代は高性能なポータブル電源が手の届く範囲で入手できますので、可能であれば備えておきたいですね。
重要な用途としては、灯りと携帯やラジオなどの情報取得ツールの充電です。阪神・淡路大震災の時は携帯の電波(電話回線)もダメになりましたが、立派なライフラインなので、優先して復旧される可能性があると思っています。
被災中、情報の入手はとても大事です。
その他の用途としては、下記でしょうか。
- お湯をわかす
- 冷暖房機器(ヒーターや電気毛布、扇風機など)を使う
- 電子レンジで温める。
モバイルバッテリーや太陽光の充電器も検討しましょう。
ポータブル電源なら「EcoFlow(エコフロー)」がおすすめ!
ポータブル電源は各社から様々なものが出ていますが、霧ノ森製作所では「EcoFlow(エコフロー)」をおすすめします。こちらは瞬間で最大1200WのAC出力ができますので、ヒータやケトル、商品によってはドライヤーや電子レンジも動かすことができます。
差込口が家庭用のコンセントになっていて、刺さるものならなんでも動くと思っている人も多いようですが、W(ワット)数によりますので注意が必要です。購入時はの何Wの出力ができるか、よく確認しましょう。
防災セットの購入だけでは足りない
防災グッズのセットは、あらゆる状況に幅広く対応できるアイテムが入っているので、まず1人につき1つはあった方がいいと思います。しかし、各々はそれほど入っていないため、マストアイテムは別途買い足しておきましょう。僕の場合は、水と食料、トイレと生理用品(奥さん)を結構買い足して、別のリュックに入れて防災セットの隣に置いています。
こんな時は人も怖い!誰でも信用してはいけない。
震災から1日後、親の指示で避難場所である近くの小学校に姉と一緒に避難しました。そこでは、私たちを知っている近所のおじさんやおばさんもちらほらいて、ちょっと安心しました。
しかし、ここでとんでもないことが起きました。とある教室内に場所を確保し、姉と二人で友達でも探しに行こうとなったんです。
荷物は毛布や服、少々の食料や水やらと色々入っていたので大きく重く、持ち歩く事はできません。まぁ顔見知りの人もいるし、大丈夫だろうと思い荷物を置いて校内を数分ウロつき帰ってみると。。。なんと荷物から食料が抜き取られていました。
気の強い姉は「ちょっと!食べるもの盗ったの誰!!?」と叫びました。そしてどこからともなくボソっと返ってきた言葉が、「こんな時は助け合わんと。。。」でした。これにはびっくりしましたね。
大の大人が子供2人の荷物から勝手に中身を抜き取って、「助け合い」はないでしょう。人間は極限になるとこんなことを平気で言うようになるんだと思いました。
もちろん親切な人も大勢いるとは思いますが、皆さんも十分にお気を付けください。
自分たちの身は、自分たちで守らねばなりません。