まず「僕も初めてNDフィルター買いました」というところからのお話です。
写真を始めて数年経ちますが結構な期間、二の足を踏んでいました。何故かというと「別にNDフィルターがなくても撮りたい写真が撮れていた。」これに尽きます。
多少の興味はありましたが、どれを買えばいいのか、濃さ?番号?フィルター径?そしてちょっと高い。。。というとことも大きかったと思います。
今回、必要性を感じたタイミングにセールがあったので、それに乗っかってNDフィルターの購入に踏み切ることに。体験・費用的な観点で僕も含めた「NDフィルター初心者」におすすめの柔軟かつ画質も担保できる構成を考えてみました。
まずはこの構成でNDフィルターに慣れて、自分がよく使う「濃度」と「径」を割り出したいと思います。
Nisiの可変NDフィルターとステップアップリングを買った
購入したのは下記の2点です。
基本的には番号(濃度)とフィルター径
NDフィルターにはND4、ND8というように番号が ついていて、わかりやすく言えば濃さ(暗さ?)を番号で表しています。
光の量を、ND4なら1/4に、ND8なら1/8にすることができます。
それと、レンズ径ですね。まずは最低限、この2点を決めなければいけません。
とにかく種類・サイズが多い
ND濃度は1刻みというわけではないですが、ND2からND100000なんてのもあります。
そして、レンズ径も37mm~95mmまで、メジャーなところで15パターンくらいあります。
仮にNDのパターンが11くらいあったとして、径が15パターン。単純計算で11×15=165ものパターンあるわけです。
そこにさらにメーカーや、メーカー内でもグレードや効果が入ったものなどがあり、こうなってくると無限フィルターなわけです。
※実際にはそんなにないですが。
これだけパターンがあって、値段も安いもので数千円はします。
これ、初心者には選びにくいですよね。いや、選べないですよ。
よくわからない膨大な量の円盤を見せられて、「さぁ、遠慮せず最適なものを選びたまえ!」と言われるわけです。
一眼カメラで撮影する動画には必須
NDフィルター購入に踏み切った一番の理由は、動画を撮り始めたからです。
詳しく説明すると長くなるのでこの記事では割愛しますが、動画撮影ではフレームレート(以下「fps」)とシャッタースピード(以下「ss」)を固定しなければなりません(固定しなくても撮れますが、正確には「するべき」です)。
一般的に、fpsは24、30、60くらいで撮り、その際のシャッタースピードは分母がfpsと同じ~倍が適切だと言われています。
(例:30fpsであれば、ssは1/30~1/60)
僕は24fpsで撮る事が多く、シャッタースピードは大体1/30~1/50くらいにしています。
この時に問題になるのが、F1.2等の明るいレンズ(設定)で撮ると、日中はどれだけISOを下げても明るすぎて、適度な露出になりません。
もちろんF値を上げたらいいんですが、ボカして撮りたいシーンなどは実質不可能になってしまうんですよね。
また、ssを極端に上げるとカクカク動画になってしまいます。
この不可能を可能にするのがそう、「NDフィルター」なんですね。光を抑えて暗くすることができるので、ボケ感はそのままに露出を適切なレベルまで調整することができます。
これで、僕にとってNDフィルターが「必要」になったんですね。
ちょっといいものを買った方がいい
激安のNDフィルター、あります!
それで体験するというのも一手だったんですが、僕は「安物買いの銭失い」が多いんですよね。不要な円盤を買う余裕はありません。
安いものだとホワイトバランスが狂ったり、ケラレが発生することもあるようです。
色の再現性を重視するのであれば、ちょっといいものを選択した方がより良きだと思います。
せっかくちょっとでもいい写真を撮るために高価なレンズを買ったのに、一番初めに通るフィルターをあまりにケチっては本末転倒ですしね。
とはいえ、今は安くて性能も十分だと評判のいいものがNEEWERやK&F Conceptなどのメーカーから出ているようですので、お試しという意味ではいいかもしれません。
まずは可変NDフィルターで体験しよう
英語ならVariable ND filter (バリアブルNDフィルター)ですね。
一つのフィルターで濃度を可変する事ができる超絶便利なフィルターです。
高くはなりますが、複数の濃度のフィルターを買って、更に付け替える手間等を考えればいい選択だと思います。
また、自分がどのあたりの濃度をよく利用するかの目安を測ることもできますね。
可変NDフィルターのデメリット
便利ではあるのですが、伴ってのデメリットがやはりあります。
まず、最大のデメリットは「ムラ」です。メーカーやフィルターの特性にもよるようですが、広角側であったり、濃度MAXにした時にX上のムラが発生することがあります。
この記事はあくまで「初心者がNDフィルターを体験する」という事に重きをおいて書いています。もし、濃度を決められるなら、画質を最優先するなら可変NDフィルターはおすすめしません。
もう一つのデメリットが、これはフィルターによりますが「フードを付けられない場合がある」です。
レバーがついているものの多く、このレバーがフードに干渉するので共用ができません。フード必須の方は、レバーのないタイプを選択する必要があります。
動画にはむしろ可変NDフィルターの方がおすすめ
よかったんですよこれが。
動画って外で撮ると明るさがコロコロ変わるんですよね。ある程度はISOで調整できますが、特定のシーンで白飛びしたり、逆にISO上げ過ぎてノイジーになったりしたら嫌ですもんね。
また、モデル在りのケースなど、撮影でバタついている時にND濃度固定のフィルターを付け替えてられません。
そこで可変ND。スッと濃度を変更し、スマートに対応できます。
ステップアップリングで径の異なるレンズで運用
フィルター径(レンズ系)も大きな問題です。
僕が今回の購入しなければならない理由になったレンズが、Canonの「EF50mm F1.2L USM」です。このレンズでF1.4くらいのシーンが撮りたかったんですよね。
そして、もう一本メインで使っていこうと思っているのが「RF24-105mm F4 L IS USM」です。
フィルター径が「EF50mm F1.2L」は72mmで、「RF24-105mm F4 L」が77mm。この5mmの差のためにもう1枚フィルターを買うのか。。。
大丈夫です。ステップアップリングを買いましょう。段階的に径を大きくしていけるので、ある程度の異なる径であれば1枚のフィルターで運用できます。
※径を上げ過ぎると画質に悪影響が出る事もありますので、ご注意ください。
くれぐれも、径の大きなレンズに合わせてフィルターを選んでください。
小さくはできませんし、仮にできても写真に写りこみます。
マグネティック。。。だと。。。?!
マグネティック。。。嗚呼、良い響きですね。。。
磁気を帯びたフレームをレンズに装着し、フィルター自体は磁気でくっつきます。
ND濃度は固定になりますが、付け替える手間を劇的に減らし、画質も保てる便利なフィルター(システム)です。
僕もまずは可変フィルターである程度NDフィルターというものを理解できたら、このシステムに変えたいですね。